ディープラーニングX線部品カウンターは、X線は金属は透過しないというX 線の性質を応用した、リール部品のカウンター装置です。

リール部品を装置へ流すとリール部品にX線を照射することで撮影画像がイメージファイルとして生成されます。

その画像ファイルからディープライニングを応用した画像処理によりリール部品の数をカウントします。

従来の課題

メカ式リールカウンター

EMS(Electronics Manufacturing Service)事業では、お客様からの多種多様な仕様に基づく電子部品の在庫管理業務は非常に重要です。部品の在庫管理の計数には莫大な工数を要しています。特に最近は回路の小型化、集積化により小さな部品がより多く使われ、その部品管理は益々難しくなってきています。

従来、弊社はメカ式のリールカウンターを使い電子部品の計数をしていました。

X線装置での課題

メカ式のリールカウンターの代わりにX線装置を使いリール部品をデジタル画像に撮影をして、画像処理によりソフトウェアで計測することで
1リール半自動で5分掛かっていたところを数十秒に短縮できることができました。現在は、ブロブ解析と呼ばれる、画像データを2値化して領域をの位置、面積を求めることにより部品のカウントを行っています。形状によりますが0.2mm/画素の解像度でこの方式で99%の精度で計測できることを確認しています。

しかし、リール部品の形状が大きくなると誤差が大きくなる課題があります。

X線の原理

X線装置の光源は液晶のバックライトとは異なり1点から照射されます。この光源を点光源と呼びます。測定物の中心部と周辺部で光源の距離が異なります。このため周辺ほどエネルギーが減少し、画像がボケます。更にエネルギー減少に伴い画像のコントラストが下がります。これにより中央部と外部でコントラストが異なるため画像データの2値化するしきい値の設定が難しくなります。

従来、X線の焦点を小さくする、光源を2つ持つ(ステレオ光源)等の解決策があります。しかし、装置のコストアップになるため、画像処理によるアプローチとしてディープラーニングを応用することにしました。

ディープラーニングとは

AIとは

「人工知能」「機械学習」「ディープラーニング」には包含関係があります。ディープラーニング(深層学習)は、より基礎的で広範な機械学習の手法であるニューラルネットワークという
分析手法を拡張し、高精度の分析や活用を可能にした手法です。

(総務省:人工知能と機械学習より引用)

ディープラーニングは部品カウントの画像とその答えを予め人間が分類します。一般的に教師あり学習と呼ばれています。
特に画像のディープラーニングは、比較的低解像度の画像でも学習頻度により、高解像度画像に匹敵する解析が可能になります。

ディープライニング

リール部品カウンターのソフトウェアの画面です。リール部品が上下に行くほどX線のエネルギーが低下するためくっついて撮影されていることが分かります。

このような画像に対しては従来の2値化処理ではカウント精度が落ちます。

ディープライニング

ディープラーニング入力ソフトウェアを使い、この画像を切り出して人が、モノクロの元画像を見ながら答えを入力していきます。この作業をラベリングと呼びます。

ラベリングの結果従来80%の精度の部品が99.9%に上がる例もあります。

現在、各リール部品のディープラーニングを実施して、精度を向上させています。X線装置を使ってリール部品の計測をお考えの方、ディープラーニングを他の分野への応用をお考えの方は、是非弊社にお問い合わせをお願いいたします。

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